ち にの ん jump.5-ichi


〜NAO's blog〜
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 高校生の頃、彼女を狙っていた男は数知れない。
 猫を思わせる気まぐれで、甘え上手な表情と抜群のプロポーション、それに案外身持ちがかたい一途な性格と素直な反応が絶大な人気を誇っていた。
 遊んでいる、と校内で噂される彼女ではあったけれど、それは事実に盛大な背びれと尾ひれに飾りがついたようなモノ。
 彼女の魅力は、計算ではない計算高さ……というか、たぶん本能だと思う。
 気まぐれで、素直で、とことん自分に忠実だから嘘がない。周囲に対して無頓着だから、自分の容姿にも過小評価のきらいが大いにあった。

 体に対して無駄に張り出した胸や茶色くてふわふわの髪も、気分屋に見える目も彼女のコンプレックスだった、らしい。



〜 jump.5 〜


「イチ?」
 頬を染めて、一之瀬聖也〔いちのせ せいや〕の膝の上を中腰で跨いだほぼ裸の二宮穂乃香〔にのみや ほのか〕は肌蹴たブラウスから零れた下着に包まれた胸のカップをめくってその先に口づけてくる彼をトロンとした目で見つめる。
 ペロリと少し実りはじめていた色づいた先を舐める。
「あ……ん」
 舌で弄びながら吸いついて、もう片方の胸も手のひらにおさめて揉み上げた。
 下着の上からでも存在がわかる程度に固く尖った先を、指の間に挟んでグッと上に抓み上げればビクンと彼女の背中が気持ちよさそうに反った。
 ニノは待ちきれないと背中にあったブラのホックに自分から手を伸ばして、外してしまうと肩紐を滑らせて形のいいプクリとした大きな胸を露わにした。
 存分に吸いつき、手では余る感触を堪能して、脇腹から背中に廻って腰の括れに下る。
 臀部の柔肌を確かめて、彼女が履いていた薄い布の中に手を入れる。
 下にずらしながら、後ろから割れ目に指を入れ前後に動かした。
 胸の果実を口にしながら目を見ると、彼女は恍惚と潤んだ目で喘いでいた。
「んっ! あ……いち。触って……あ、あん」
 割れ目から零れる蜜は快感の証、指を少し中に滑らせればクチュと響いて口でしている行為と一緒にエッチな気分を盛り上げた。
「ニノ」
 呼んで、滑りこませた人差し指と中指の二本を彼女の入り口を広げるように曲げる。深く奥に送りこめばニノはたまらない声を高く上げた。
「い、ちぃ……やぁ、んん!」
 手に彼女の中心から垂れた液体が流れて、彼女の中がきつく蠢く。
 指に吸いついて、締めつけた。
 腰を揺らめかせるニノに、僕は微笑んだ。
「気持ち、いいんだね?」
「ん! うんっ。ねぇ、入れて……いい?」
 我慢できない、と脱げかけではあった下の下着を手で下げようとする。
 どうやら、自分でしたいらしい。
 そんな彼女の手首を掴んで止めた。不服そうな、熱っぽい艶のあるニノの顔に絆されそうになるけれど。
「ダメ」
「やっ、入れさせて! そのまま、したいよっ」
 何も着けずに……つまり、避妊をせずにセックスするのが目下の彼女の欲望らしい。

 ぷるんと揺れる肉感的な胸も、頬に張りついた髪も潤んだ色っぽい瞳もまっすぐに求めて突進してくる。
(僕だって、……したい)
 と、発情の衝動と闘いながらどうにかニノを説得して避妊を施してから、中に入る。
「やっ、もう! ガマンできない。イチの、ばかっ」
 僕の胸を押して抵抗しながら、ニノは唇をハァと熱い吐息で潤ませる。
 そうじゃない! と歯痒そうに身を捻るけれど、そんな意志とは関係なく彼女の体は脚を広げて僕とくっついた場所をユラユラ刺激するみたいに動いた。
 気持ちよくなる。それは、ニノも同じみたいだ。
「結婚、したら……ね」
「……じゃあ。すぐ、だよ。じゃなきゃ……イヤぁ」
 うーん、と僕は唸って(でも、なあ)と刺激を送りながら躊躇った。
 挨拶とか式場とか、男の自分よりも後々後悔するのはニノのような気がする。
「はやく、きて」
 首に縋りついてきた彼女の背中を片手で抱きこみ、片方の腕で彼女の足を持ち上げた。
「……ッ」
 奥まで押し上げ、跳ねる彼女に合わせて腰を深く動かす。
「うん。待ってて」
 激しく中を突き上げながら、僕は(もう少しだけ、かかると思うけど)とニノに心の中で謝った。


 >>>つづきます。


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