彼女をソファに押し倒し、服を脱がす段になって、ようやく菫はとある事実を認識した。 「 コレ はクリスマスらしかったんだ?」 赤地に白いふわふわとしたファーのついた上着、下にはピンク地のニット、穿〔は〕いているのは細身の真っ赤なズボンだった。電気のついていないリビングのどこかには、あのクリスマスらしいサンタの赤い帽子が転がっているのかもしれない。
「ん……だって、クリスマスだもの」 転がった朱美は、たまらない息を吐いて赤く紅をひいた唇をうっすらと開けたまま答えた。 「そそるでしょ?」 無邪気に笑って、菫の身体を引き寄せる。 「そそるのは嬉しいけど、これじゃあ見えないよ。朱美」 菫は彼女の伸ばされた長い黒髪に頬を埋め、ふ、とふきだす。かかる息にこそばゆがって反りかえる喉下。 誘われるまま、キスを落とす。 その手はニットの裾から朱美の中に侵入する。片手におさまる膨らみをとらえて、何も阻害するもののない頂を指で挟みこんだ。淡く揉みほぐす。 ヒクヒクと、軽く痙攣を起こす朱美の喉下にさらに深く唇を這わせていく。 「や……あ、ふ、んん!」 引き上げられたニットの下から二つの可愛いふくらみが露になり、色づいた実の一粒が彼の口の中におさまる。 次第に息があらく、大きく上下してくる朱美の反応に否応なく菫も呼応した。 潔く無邪気すぎる性格とほぼ比例して、彼女の身体は反応が素直だ。 だから、彼も遠慮なく素直になる。 舌先で遊び、なで上げ、時に歯を立てる。 そのたびに、朱美の背中は反りあがり、胸の実は甘くとがって、下肢が彼へとまとわりついた。背中に廻していた腕を下に滑らせて尾てい骨あたりを撫でると可愛いくらいに反応する。 「はっ……やん、あ」 腕と共に、菫の唇も下がると朱美の心は跳ねた。 今、彼の唇は下腹部につきあたり、その先を模索している。 胸を揉みしだいていたハズの手が、太腿を撫でて内側から付け根へと這い上がってくる。 ズボンの上から触れられて、朱美は息を呑んだ。 「あ、ダメ……菫さん、汚れちゃう」 あふれ出す彼女の熱が、ズボン越しにも菫の指先へと伝わった。汚してしまいたい衝動が、菫をすこし意地悪にする。 「朱美、我慢して……でないと、……になるよ。ココ」 とわざと煽って、指で強めにこする。ズボンの上からの感触だから、じかに触られるよりも刺激は少ないが、逆に朱美の身体は熱を帯びていく。 「あ、はあ! 菫さん、もっと……やあ」 こきざみに震えて、朱美は彼の指にみずからを押し付けそうになる衝動に耐える。 じんわり、と沁みてくる感触が羞恥と本能を呼んで、身をよじらずにいられない。 「や!」 ズボン越しに、彼の舌を感じて朱美は飛び跳ねた。けれど、菫の腕が逃げる彼女の腰を引き戻してズボンを濡らしていく。 自分のモノではない何かが肌に沁みてきて、足の付け根はとんでもなく恥ずかしいことになっている。 ほんの少しだったけれど、彼の舌先で淫猥な音が響く。 それだけで。 知らず、ため息が洩れた。
「菫さん、……お願い、我慢、できない」 目の下を紅潮させてうるんだ彼女が嘆願すると、菫の我慢も決壊した。 「ん、俺も」 彼女のズボンを曳〔ひ〕きおろして、ソファから落とすと下着だけとなった彼女の開いた下肢に思わず謝った。 「あ、ごめん」 真っ赤なレース。 濃厚な存在感をもつその下着は、すでにこれ以上ないほどに濡れていた。 いつもはもっと淡白な下着を愛用する朱美からすれば、菫への最高級のクリスマスプレゼントの つもり だったにちがいない。 「ココもそそるコーディネイトをしてたなんて知らなかった。言ってくれたらよかったのに」 「 バカ 」 覆うように上にある菫の身体を見上げて、朱美はポツリと一言、煽るように彼を睨んだ。 「そんなの言えるワケないじゃない」
くりすます・エデン。2 <・・・ 3 ・・・> くりすます・エデン。4
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