It' あ ョウタイム!5


〜Sumire and Akemi〜
 エッチ度=★★★★★
 It's あ ショウタイム!4 <・・・ 5 ・・・> It's あ ショウタイム!6



 よちよち、とした歩みを「だー、うー」という掛け声とともに披露する竜崎由貴に一文字シスターズは黄色い歓声をあげて、水野陽平は「よしよし」とあたかも父親顔負けの崩れきった表情で見守った。
 へちょり、と「あんよ」から「よつばい」になる姿も愛らしく、ひとときすべてを忘れる。
 彼女たちが、本来の目的を思い出したのは、愛らしい彼が疲れて舟を漕ぎはじめた頃だった。

「え? 竜崎と朱美姫がどこにしけこんだかって?」
「ち・が・い・ま・す!」
 響子は陽平のデレカシーのない物言いに顔をしかめて、抗議する。
「水野さんじゃあるまいし、竜崎さんがそんな 節操 のないことするワケないじゃないですか」
 響子の意見に、ほかの四人もコクコクと頷く。
「そーですよー」
「しかも、打ち上げの最中ですよ。ありえない」
「そーそー、まあ、竜崎さんになら誘われてもいいけどー」
「まー、 誘ってくれれば の話よね」
 ずがーん! と加世の切り捨てるような言葉にショックを受けて、つなみは「夢くらい見たっていいじゃんよー」とよろめいた。
 響子がキッと訴える。
「だいたい、行き先は衣装室ってわかってるんです!」

「衣装室?」
 怪訝に訊きなおす陽平に、パーティでのやりとりを説明するとニヤリ、と微笑った。
「そりゃ、男のロマンだろー」
「何ですか、ソレは……」
 肩を揺らして笑いをこらえる陽平に、響子はイヤーな予感がして顔を渋らせた。
「ウェディング・ドレスだよ。ウェディング・ドレス! あれ、脱がすのってそそるよなー」
「な、なに言ってるんですか! それこそありえない!!」
 顔を真っ赤にして否定する響子を、ほかの四人も弁護した。
「そーですよー」
「こんな人の多いトコロで、あの竜崎さんがするわけありません」
「さ、誘ってほしーなー。わたしー」
「鍵がかかるってある意味、好都合だしね」

「 ……… 」

 加世の一言に一文字シスターズは沈黙し、「ないない」と首を振る。
「あの 竜崎さんが するわけないよ」
 と、彼女たちは頑なに言い張った。
 本心からなのか、ただ信じたくないだけなのか……「まー、いいけど」と陽平は頭をかく。
(それにしても、やけに美化されてるなあ――竜崎のヤツ)
 はっきり言って、陽平からすれば 情熱家 の菫が朱美姫と衣装室という名の「密室」に行って、何もないことの方が想像できなかった。
 しかも、相手は 十年ぶり のウェディング・ドレス姿だ。

 年に一度の逢瀬なんて、目じゃないって。


   *** ***


 「心外だな」と菫は言った。
「ここ数ヶ月、ショーに手を取られてご無沙汰だったの知らなかったとは言わせないよ? ――朱美」
 ぴっ、と避妊具の包装を開封して手早く準備を済ませる。
「は、……やん!」
「こっちは理性を保つのに、必死なのに」
 肩に担がれた片足は、菫が上体を上げ彼女に密着したことで折り曲げられ、その付け根はこれ以上ないほどに広げられた。中学時代、新体操部に入っていた朱美の身体は柔らかく、全盛期の柔軟性は衰えたものの今の体勢になってもすこし息苦しそうに息を吐いただけだった。
 彼女の広げられた付け根に指を挿れたまま、熱い塊となった自身を下からあてがった。
「 あ 」
 菫の首にしがみついてくる朱美の指が、次の衝撃で爪を立てる。
「あああ!」
 一気に最奥までねじこめられたそれに、裂けるような痛みを覚えて朱美は腰を引こうとする。
 初めてのような痛み。
 本来なら菫は苦痛を強いらないように慣れさせてから、徐々に最奥を目指すのだが理性の箍〔たが〕が外れては自制も叶わなかった。
 先刻の前戯で潤っていたとは言え、彼を受け入れるには準備がまだ甘かったらしい。
 快感よりも、痛みが先行する。
「痛い、痛いッてば! 菫さん」
 目に涙が浮かんで、朱美は抗議する。
「我慢して」
 と、そんな泣き顔の彼女を覗きこんで、冷ややかなアメジストの瞳が澄んだ。
 ヒヤリ、と笑む。
「すぐによくなるから」
「もう……もう……早くしてよ。いっ……たぁ! いんん」
 ヒリヒリとした中に、時々ぴりりとした痛みを感じて朱美は顔を歪めた。
 とは言え、彼をせめるワケにもいかない。何しろ、煽ったのは自分なのだから――。

(でも。まさか、わたしだって怒らせるつもりじゃ、なかったのに)

「は……あ……ッ」
 ギチギチと痛む入り口に耐えながら、朱美は次第に痛みが別の感覚に支配されていくのを感じた。
「あ……あ、あん」
 どうしよう、と朦朧となる意識の中で思う。
 快感が背筋を突き抜けていく。
 悩ましげに寄せられた菫の表情を見下ろして、深く口づける。
「 大好き 」
 苦しい息の合間に告げると、わずかにたじろいで菫がかすれた声で訊いた。

「こんな俺でも?」

 当たり前じゃない?
 という気分で、朱美の中がつよく反応した。


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