崎家の事情。4


〜Sumire and Akemi〜
 エッチ度=★★★★★
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 彼女に舌を這わせると、軽くイッたようだった。

(――そろそろか)
 と、思い下を脱ぐと、彼は彼女の中に入れていた指を取り出した。
 蜜に濡れているそれを、ぺろりとなめるてみせると陶酔したような彼女が、少し目を瞠ってそっぽを向いた。
「バカ……」
 そのひどく女らしい横顔に胸がドキドキする。
「可愛いよ」
「な、なに言ってるのよ!」
 怒ったような、照れた彼女は汗ばんで頬に髪を張りつかせたまま睨んでくる。
 クラクラするような、誘惑だった。

「無意識なんだろうけど」

「え? ――っあ!」
 くすり、と笑った彼に何故か安心しそうになり、彼女は膝を深く割られたことに動揺した。
「怖い?」
「………ん」
 こくり、と息を呑むと彼の背中に手を廻す。
「すっごく、怖い」
 と、言いながら彼女は彼を待った。

 片方の太腿を抱え上げられ、ひくりと感じた熱は今、彼女の一番敏感になっている場所にあてがわれている。
 かと思うと、中へと一気に侵入してきた。
「ひあッ!」
 その痛みに思わず大きな声を上げて、彼にしがみついた。
「痛い、痛いよッ……すみれさんんぅ」
 ググッと強い力で奥へと入ってくるそれを、彼女の内壁が締めだそうとする。
 肩で息をして、「痛い、痛いの」と訴える彼女に、彼が眉を寄せて覗きこんだ。
 自分を包んで離さない、温かなそこをさらに深く突きたいという衝動。
 耐えるには、かなりの自制がいる。
 止まった彼の侵入を、潤んだ彼女の目が不思議そうに眺めていた。
「止〔や〕める? だったら抜くけど」
「 ……… 」
 ひどくつらそうな彼の顔に、彼女は知らない間に答えを出していた。
 ほとんど本能と言ってもいい。
 チュッ、と彼に顔を寄せるとキスをする。ごく浅い、子ども同士がするようなあどけないキス。

「朱美?」
 見つめ合うと、彼女の目はすぐに苦痛に歪んだ。
「あ、あ、ああっ………イ、あんっ」
 自制を外した彼の動きは性急で、少しも待ってはくれなかった。
 彼の背中にしがみついたまま、彼女の痛みに閉じたられた目じりには涙があふれて、流れた。
「ああ、ああんっ。ダメ! もう、わたし……ワケ、分かんなくなるッ」
 守られ続けていた内壁をこれでもかと異物で摩擦され、彼女の身体は悲鳴をあげていた。感じきっている場所は、痛みとは関係なく……いや、むしろ痛みから快感を得るように蜜を生む。
 くちゅん。
 不思議な音色だと思う。
 やらしい……なのに、どこか厳粛で神聖な音楽のようだ。
(変、変なの……なんか……)

 彼女は、気づいていない。
 自分の腰がカクカクと動き、彼の理性を絡めとるまでに執拗に求め合っていたことを。
「はぅん、はん、はああんっ」
 うっすらと開けた視界には、色素の薄い彼がいる。
 動いて、互いの汗をすべらかにしっとりと分け合った。
「すみれさん、菫さん!」
「わかってる、分かってるから」
 彼女の首筋にキスをいくつも落として、さらに胸の頂きと彼女の尾てい骨〔びていこつ〕のあたりを弄んだ。自らを制御することも限界にきているというのに、彼女という身体を探索するのは楽しくてやめられない。
 刺激に反応した素直な彼女の身体は一際大きく彼を求めて、伸縮する。
「ひぁ、アアんッ!」
「うぁ……ッ!」
 どくん、と互いの身体が深く繋がり、彼女の締めつけに彼自身が答えた。
 あらい息を吐き出しながら、二人は一瞬の永遠を遠い意識の中で感じた。




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