ァインダーのこう側。6


〜Sumire and Akemi〜
 エッチ度=★☆☆☆☆
 ファインダーの向こう側。5 <・・・ 6(終) ・・・> あとがき。



「は?」

 どういう意味よ? と朱美は眉を寄せた。
「こっちの話」
 と、にっこりと笑って、こそりと耳打ちした。
「それより、朱美。そんな格好でいたら、また歯止めがきかなくなるかもよ?」

「 ?! 」

 わが身をふり返ってみれば、確かに一糸纏わぬ「あられ」もない姿。
「それとも、やっぱり 俺を 誘ってるの?」
 「いいよ、する?」と囁かれるや、朱美は超特急で飛び退り、脱ぎ散らかった下着と寝巻きをかき集めて素早く身に着けた。
 布団に入り込むと、「おやすみ!」と宣言して、あとは知らぬ存ぜぬの無反応を決め込んだ。
 くすくすと笑う、背後の菫の様子にからかわれたのだと気づいたが――。
 アッという間に睡魔に襲われ、怒る気力もなくなった。
「 おやすみ 」
 電気を消して布団に入ってくる彼を背中に感じて、抱き寄せられ……一瞬、身を強張らせたが、それ以上はなかったのでホッとする。
 身を寄せ合うと、温かな人肌に安らいだ。
 それが、愛する人だというだけでとても幸せな気分になる。


   *** ***


 朝。
 ピンポーン、と家の呼び鈴が鳴った。
「うー?」
 と、朱美は寝返りをうつと……目を開けて高くなった日差しを背にした夫を見つける。
 彼はすっかりと身支度を整えていた。というか、たぶんかなり前から起きていて、本来なら朱美がするべき朝の用事を済ませていたにちがいない。
(でなかったら、許さないし!)
 色素の薄い髪が金色に輝いて、キレイなアメジストの眼差しが微笑んだ。
 朱美の瞼にキスを落として、「ゆっくり起きてくればいいよ」と優しいことを当たり前のように口にする。
「うん」
 まだちょっと余韻の残った身体に朱美は息をついて、それでも彼のこの眼差しには弱いのだ。何でも許してしまいそう……ううん、ホントは全部許してる。

 でもね?

「 菫さんのバカー! 」
 階段を駆け下りると、フラフラと足をもたつかせながら朱美は、それでも乱暴にリビングの扉を開けた。
「ハイネックでも隠れないよ! コレ!!」
 と、昨夜の問題にさらなる問題をくわえて再燃させた。
 けれど。
「 お邪魔しています 」
 リビングの接客用のソファに座った……見知らぬ客人は、首筋を指差したまま固まっている朱美を見上げると、何事もなかったかのように立ち上がって頭を下げた。
 その唇は、いささか笑いを含んでいる。
「竜崎朱美さん、ですね?」
 初めてお目にかかります、と彼は朱美に名刺を手渡すと、そのまま動く気配のない彼女の指に唇を寄せた。

「私は、比奈東吾……カメラマンをしています」


 ファインダーの向こう側。5 <・・・ 6(終) ・・・> あとがき。

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