P-kan! 夏 ココナッツ。3


〜Sumire and Akemi〜
 エッチ度=★★★☆☆
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 フッ、と後ろの首筋に軽くかかった息に、朱美はビクリと背中をふるわせた。
「なに、ソレ。ヤキモチ?」
「ちがうってば!」
 必死になって朱美は否定した。が、耳まで真っ赤になっては あまり 説得力はない。
 背中を向けたまま黙りこむ朱美にくすり、と菫は笑って抱きすくめる。
「ちょっ! やだ!! 菫さんっ、蒼馬が見てる……っ」
「大丈夫」
「え?」
 ふと、顔を上げて後ろをかえりみると、そこには蒼馬の姿はなく……二人から少し離れた波打ち際で弟と遊んでいた。
「蒼馬は察しがよくて助かるね? そう思わない?」
「……菫さんのせいじゃないの?」
 頬を染めて朱美が唇を尖らすと、菫は「まさか」と可笑しそうに目を瞠った。
「朱美のせいだろ?」
「……そうかも」
 否定することもできなくて、朱美は誤魔化すように俯いた。



 首の後ろにあるビキニの結び目をほどかれて、朱美は慌てて胸元を押さえた。
「 なっ?! 」
 背後に立つ、一見物静かな容貌の彼をキッと睨む。岩場に多少視界が遮られているとは言え、公衆のビーチだ。
 さすがに人目がある。
「こんなトコで何するのよ、バカ!」
 真っ赤になって胸元を隠す彼女を、落ち着かせるように座らせて「大丈夫」と繰り返す。
「ど、どこが大丈夫なの?! やっ……」
 スッ、と脇から入ってきた彼のひんやりとした手が胸のふくらみを直に下から上へなぞる。
 尖った先で引っかかると、少し強めに力を加えた。
「 あ…… 」
 ぬるり、とした液体が肌を滑って……胸だけでなく、肩から背中にもそれは触れた。
 サンオイル、だと気づくと朱美はさらに声を荒げた。
「菫さんのスケベ! 塗るなら背中だけでいいんじゃないっ、ぁん」
 ビクン、と背中が反る。
 胸のつぼみを摘まれて、さらに強く潰されて朱美は声を出すワケにいかなくて息を呑んだ。
 前かがみになって、彼の動く腕を抱きしめる。
 しかし。

「背中だけじゃ、物足りないだろ? 朱美がさ」

「や、バカ……」
 サンオイルに濡れた手が、朱美の抵抗も空しく両脇から入りこんで彼女の大きくはない胸を寄せ上げた。固く実りはじめた丘の実はジンジンと疼いて、やわやわと揉みしだかれると自制とは裏腹に痛みをともなって電気を走らせる。
 キュンと先を摘まみ上げ、変則的に形を変えられる。
 朱美の腰が浮いて、それを押さえこまれると逆に快感が逆流するようだった。
「あ、あ……やん、だめ。ダメ……すみれさッ!」
 はぅん、と背中をしならせて前に手をついた朱美は裸の胸をこぼれ落として、菫に促されるままうつ伏せに寝転んだ。
 下半身も、疼きはじめている。こんなところで――。
「もう……もう……何、させるのよ……」
 ハアハア、と息を乱して恥ずかしさから文句を言うと、手にサンオイルを馴染ませながらさわやかに彼は言った。
 本当にいつも感心させられるが、やらしいことをしていても彼は、微塵もそれを感じさせない。
 憎らしい、と思うほどに。
「だって、蒼馬とばかり遊ぶから」
「は? なによ、いきなり」
「単純なヤキモチだよ。――この時だけはアイツに 邪魔 されないからね」
 そう言って何を考えているか分からない穏やかな表情で、菫は撃沈した妻の背中にサンオイルを塗るため手を滑らせた。


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