誰もいない閉館後のプラネタリウム。
「……っんっ……やぁっ」
哲也のキスに、織絵が余裕のない息づかいを漏らす。
大きくリクライニングするプラネタリウム独特の椅子に座った織絵を、哲也が涼しげな目で見下ろしていた。
「……っもっ……何考えてんのっ」
「なにって、決まってるだろ」
そう言って、もう一度織絵にキスをする。
「っんんぅっ……」
織絵は思わず哲也にしがみついた。
「てっ……つやっ」
「ん?」
「こんなとこでっ……」
「誰も来ないって」
「そう言う問題じゃっ……」
かた、と音がしたのはその時だった。
起きあがろうとする織絵を椅子に抑えつけて、哲也は彼女の口に指を乗せた。
「諸橋ー?いるのか」
先輩技師の声が、入り口から聞こえた。
「ああ、はい」
「いつまで点検してるんだよ」
「ちょっと椅子の具合がおかしいので、調べて直してます」
言いながら、もう片方の手がスカートの中に滑り込んできて、織絵は体をびくっ、とさせた。
「手伝うか?」
「いえ、大丈夫ですよ」
太股からウェストにかけて、柔らかく手のひらが動き回る。声が漏れそうになるのを必死で我慢している織絵を見て小さく笑いながら、哲也は先輩との会話を続けた。
「俺もう帰るけど、戸締まり頼んでいいか」
「ああ、はい。お疲れさまです」
ばたん、と防音扉が閉まって、哲也は織絵の口をふさいでいた指を離した。
「よく我慢したな」
「……っばかっ」
織絵は真っ赤になって睨んだ。
事務室の横には、宿直室がある。観測会などの準備で泊まり込む時に使うものだ。
プラネタリウムのあの椅子は便利だと思うから、あのまましてもよかったんだけどな、と思いながら、哲也は織絵を宿直室に連れ込んだ。
「……帰ってからにしようよ」
「待てない」
何言ってるんだか、という顔で、織絵を見下ろす。
「織絵だって、我慢できないだろ?」
「そう……だけど」
「いいよ、このまま帰っても。そのかわり、途中で我慢きかなくなったら、車の中だけど」
そっちのほうが勘弁して欲しい……。
観念したらしい織絵に、哲也はにや、と笑った。
「いいコだね、織絵」
今宵は新月。
誰も見てない。
月さえも。
つ、と口唇をなめるようなキスをして、こじ開けた隙間から舌を侵入させる。織絵の体から力が抜けていくのを確認して、彼女を床にゆっくり寝かせた。
今日の織絵はジップアップのフリースジャケットを着ている。一枚で十分暖かいというのもあるが、「いつでもどこでも」脱がせられるから、という理由で哲也が希望したのだ。
……大概、自分でもヤバイとは思うけど。
傍にいるだけで「ソノ気」にさせる織絵が悪いと言うことにしておこう。
「んっ……ふぁっんっ……っやっ」
素肌をなぞる指先と口唇に、織絵の吐息が温度を上げる。
あらわになった胸の小さなつぼみを口の中に含んで、舌先で転がした。
「っはっ……ああっ……」
「相変わらず感度いいなー」
「そゆことっ……やぁっ」
カリ、と甘噛みされて、織絵の体がのけぞる。
「口答えしない」
哲也はちらり、と視線を上げて、織絵の口唇に指を這わせた。
「この口は、俺の名前と、あえぎ声だけ出してればいいの。その他は禁止」
「ま、た……横暴なことをっ……」
「誰が横暴?」
ちゅう、と白い肌に口唇を押し当てて、自分の印を赤く付けながら、哲也がくすくす笑った。
「口答え一回につき、キスマークひとつね」
「……冗談でしょ?」
「イヤだったら、言うとおりにしなさい」
潤んだ瞳で睨み付ける織絵にぞく、と感じながら、哲也は指を彼女の中心に這わせた。
「もう、こんなに熱くして」
「んぁっ……くぅんっ」
ショーツの上から冷たい指を押しつけられて、自分の熱を再確認させられる。
「織絵はえっちだな」
「だ、れのせいだとっ……」
「口答えはしない、って言ったよ」
今度はすぅ、と太股を口唇でなぞり上げて、足の付け根にキスをする。
「ひあぁぁっんっっ」
ぴくん、と反応する織絵がかわいくて、もう一度キスをしたくなるが、いい加減、遊んでる場合でもなくなってきた。
抵抗しない織絵のショーツを脱がして、直に中心に触れる。
ちゅ、とキスのような音を立てて、指がナカに飲み込まれていった。
「んっ……はぁっ……ああっあっっ」
ぎゅ、と織絵が哲也のシャツを掴む。その頼りない布きれにめ一杯の力を込めたせいで、指先が白く染まった。
哲也はその手をシャツから引き離すと、自分の肩に回した。
「っあ……」
「いいよ、思い切り掴んでな」
言いながら、指を1本増やして、奥までぐい、と挿入する。
「っはっ……ああっっんっ」
ぎり、と肩に爪の食い込む感覚に、少し顔をしかめたが、哲也は織絵を攻め続ける。
「やっあっ……てつやっ……」
「いいよ、イッて」
いつでも織絵を頂点に押し上げるのは、哲也の低い甘い声だ。
ばさ、と音がして目を開けると、哲也が白衣を脱いだところだった。
今更に、彼がずっと着衣のままだったことに気づく。
自分はとっくの昔に、服を奪われてしまってるのに……。
「織絵」
ひやり、とした彼の肌に、一瞬だけ体がこわばるが、すぐに腕を伸ばしてしがみついた。
しがみつかずにはいられない。この一瞬後の快楽を知ってるから。
誘われるような形で、哲也のモノが織絵のナカに入ってくる。
「んっ……はぁぁぁっ」
「……っく……」
一気に侵入して、は、と息を付いた哲也は、少し切なそうな顔をしていて、心臓が締め付けられるような熱が織絵を襲う。
「ふぁっ……ああっあっ……くぅうんっっ」
激しい動きに、快楽から振り落とされないように……体と心がバラバラになってしまわないように、腕に力を込める。
「ああっ……んっ……てつやっ……」
「……っ……織絵っ」
どこまでも堕ちていくような感覚。
哲也がぎゅ、と織絵の体を抱きしめた。
「織絵、やってくれたな」
「……ふえ?」
着替えていた織絵は、哲也の声に振り返った。
哲也が見せている背中に、紅く爪痕がついている。
「……あ」
「帰ったら、おしおきだな」
くっ、と笑いながら宣言された言葉に、織絵は天を仰いだ。
ええと……すみません。めちゃめちゃヤバイ男じゃないですかコイツ(笑)
何も考えずに普通に書いてた自分がコワイです(爆)
人様に差し上げる彼氏とは思えないですが……せっかくなので押しつけますっ(おい)
鹿室 明樹 拝(平伏)
(ノープロブレムです。by.匿名希望)
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