Secret Face


Kagura’s House
■著作権は、神楽茉莉さまに帰属しています■
こちらの 「暑中お見舞い申し上げます♪」 は、「Kagura’s House」の管理人さまである
神楽茉莉さまが暑中お見舞いとしてフリー配布されていた
「Secret Face」の番外編、本編後日談のお話です。
ラブラブ甘々な二人にクラクラです。
いくつになっても、若いのねえ(笑)。
R18指定 です。前後左右にはご注意ください。m(__)m



□ 暑中お見舞い申し上げます♪





「あ゛ぢぃ…」

新一は、額に浮かぶ汗を拭いながら、自分のTシャツの襟元を摘み、パタパタと扇ぐ。

7月も後半のこの季節。

夏は、もう目前というのに、梅雨明け宣言は未だに出されず、連日のように続く雨に、へばりつくような湿気。

妙な蒸し暑さに、気分も萎える。

姫子は、汗ばんだ頬を手の甲で拭いながら、そんな言葉を吐き出した新一をチロっと睨んだ。

「新一…暑いって思ってるんやったら、この体勢やめてくれへん?」

「あ?なんで?」

「なんで?じゃないやろぉ!ただでさえ、湿気がまとわりついて暑苦しいのに、新一にまでまとわりつかれたら死んでしまうやんかっ!!」

姫子は、そう捲くし立て、自分の体に密着している新一の体を向こうへと押しやる。

すると、新一は、是が非でも離れるものかと、姫子のウエストラインに腕をまわし、更に体を密着させてきた。


あ…暑苦しい…


「あのなぁ。遠征続きで久し振りに会うっつうのに、そういう言い方ねんじゃねえの?」

「だって、ホンマに暑いねんもん!エアコン壊れてて、明日まで修理に来てもらえないし…。久し振りに会えたのは嬉しいけど、ここまで密着せんでもええんちゃうの?」

「嫌。する」

「しんいちぃ〜…」

「お前ねぇ、どんだけ俺が姫子に会いたかったか分かってっか?試合の為に練習漬けで、遠征先でも声しか聞くことできなくてよ…」

「そりゃっ!私だって、すごく寂しかったよ?新一に会いたくて仕方なかったけど…でも、だけど…だからって…」


なにも、エアコンが効いてない、暑苦しい部屋で、こんなにべったりくっつかなくても…。


そう、言葉を繋げようとしたところで、新一の声がそれに被さる。

「じゃあ、脱ぎゃいいじゃん」

「………は?」

「暑いんだろ?じゃあ、服を脱げばいいじゃん♪少しは涼しくなるんじゃね?」

「え、いや…ちょっと、新一?」

このチャンスを待ってましたと言わんばかりに、言うが先に、姫子の服に手を掛ける新一。

その顔は、もうすでに締まりのないニヤけた面に変わっていて。

こういう所は、プロになって活躍していても、変わってない部分だな、と、内心ため息を漏らす姫子。

新一は、プロのサッカー選手になってから、大型新人として取りざたされ、連日のように、ブラウン管で、その活躍ぶりを報道されていた。

1年半経った今もそれは変わらず…いや、それ以上に、CMだの何だのと、マスメディアに引っ張りだこの新一。

クールな2枚目で通っている新一は、今やスポーツ選手の中では、注目度No,1になっていた。

そんな新一の姿が、ブラウン管に映るたびに、姫子はいつも複雑な心境に苛まれていた。

それでも、こうして時間を作っては、電話をくれたり、会いに来てくれる新一は、昔と変わらず自分を愛してくれているんだと、信じている。

そう、誓ってくれたから…

だから、こうして昔と変わらず、自分だけに見せてくれる姿が、妙に嬉しかったりもする。

新一には決して口に出しては言わないけれど…

「ちょっ、ちょっと!新一!?何やってんのよ、昼間っから!!」

「何やってんのよ、って、今からすんだけど?」

「だから、何を!!」

「エッチ」

「………」

聞くだけ野暮かと思いつつ、気付いた時にはもう既に下着姿にさせられていて。

相変わらずの早業だ。と、半ば感心していると、一気に床に組み敷かれた。

汗ばんだ姫子の背中が、ペタっと気持ち悪く、床に張り付く。

「姫子を抱きたくて、仕方なかったんだって」

「新一…」

久し振りに間近で見る、新一のキリっとした整った顔立ち。

ブラウン管ではない、今ここに現実にいる新一から熱い視線を送られ、吸い込まれるように見つめ返す姫子。

私も、そうだったよ。と、返そうとした姫子の言葉は、次の新一の言葉によって飲み込まれてしまった。

「ずっと姫子を抱けなくて、すんげー堪ってっし、俺。明日までオフもらってっから、いっぱいしような、姫子♪」

この言葉がどれほど姫子にとって恐ろしいものか。

今まで散々、身を持って経験している姫子は、言葉を失うしかなかった。


明日、みんなに暑中見舞いを書こうと思ってたのに…


そう思ってはみたものの、やはり姫子とて新一を求めてるワケで。

久し振りに自分の唇に、新一を感じると、一気に体が熱く火照り出す。

ぷっくりとした姫子の唇に、新一の薄い唇が重なる。

啄ばむようなキスは、次第に深く、貪るようなキスに変わって行く。

「姫子っ…すげー久し振りっ…やっぱ好きだわ、姫子とのキス…」

「んっ…新一っ…ぁっ…私も好きよっ…新一とのキスっ…」

「毎日、こうして姫子とキスしてえ…毎日、姫子に触れてえよ…姫子…早く短大卒業して、俺んとこに来いよ…」

「しん…いちっ…」

新一は、少し唇を離すと、姫子のクリッとした大きな瞳を真っ直ぐに見つめる。

先ほどの緩んだ表情とは打って変わって、真剣なその眼差しに、姫子もジッと彼を見つめ返した。

「俺、頑張ってっから。今のチームのエースの座も、日本代表のエースの座も獲得できたから。姫子の為に、姫子の親父さんに認めてもらえるように…俺、頑張ってっから。だから、早く俺の傍に…」

新一…

「うん…うん。私も早く、新一の傍に行きたい…卒業まで、あと半年。あと、半年だから…待ってて?」

「あぁ、そうだよな…あと、半年の辛抱だよな。それまで我慢できっかな、俺」

クスクス。と、小さく笑う新一に対し、我慢してよ。と、姫子も少し笑う。

「愛してるよ、姫子」

「私も…愛してる」

お互いにそう、囁き合い、一糸纏わぬ姿になると、新一は姫子を抱き上げて、ベッドへと運ぶ。

久々に、直(じか)に感じるお互いの体温。

学生の頃より、更に逞しく、綺麗な筋肉がついた新一の身体が、姫子の、更に女らしく成長した、艶やかでハリのある身体を包み込む。

新一は、ゆっくりと時間をかけて、姫子の肌に唇を這わせた。

暫く触れていなかった、姫子の肌を味わうように、ゆっくりと丹念に。

新一の唇が移動する度、強く肌を吸われる度に、姫子の身体が敏感に反応し、彼女の口から甘い吐息が漏れる。

「はぁっん…新一っ…んぁっ…」

「姫子のその声、たまんない。もっと聞かせろよ、その声…」

「しん…いちぃ…っ」

高揚し、ほのかにピンク色に染まった頬。潤んだ大きな瞳。

無意識とはいえ、自分を煽るような姫子のその表情に、一気に新一の気分が高まる。

「ヤバイ…その顔。も…限界…先に姫子をイカせてからって思ったけど、やっぱ無理。一緒にイカせてっ…!!」

「んっ、ああぁぁんっ!」

新一は、めいっぱい熱の篭った自身を、姫子の入り口にあてがうと、一気に中を貫く。

途端に新一自身を包み込む、この上なく極上の空間。

そして、姫子も久し振りに感じる新一の存在に、甘い声と共に顎が上がった。

知り尽くした姫子の身体。それでも、毎回違う表情を見せて、新一を虜にさせる。

だから、バカみたいに姫子を求めてしまうのだけど…。

「ぁっ…っくっ!…すげ…気持ちいっ…」

「あぁっ…いっ…気持ちいいっ…新一っ…あぁんっ…」

「ヤッベ…また、最短記録いきそ…ここ最近、ヤッてねえから…も、出そうっ」

「やっ…新一っ…一緒にっ…一緒にイって…」

新一が、早くも自分の限界を感じつつ、色っぽい表情を浮かべながら、律動のリズムを早めると、姫子は潤んだ瞳で、せがむように新一を見上げてくる。

新一は、それに綺麗な笑みを浮かべて、一つ彼女の唇にキスを落とすと、ギュッと姫子の身体を抱きしめ、首元に顔を埋めると、掠れた声で耳元に囁きかけた。

「このままっ…中に出させて。姫子の中で…イキたいっ…」

「んっ…いいっ…安全日っ、だから…」

「万が一があってもっ…俺、もう…受け止められっから…姫子は絶対幸せにしてやっから…受け止めて…俺の全部」

「ん。信じてる…新一の事っ。だからっ…いっぱい出して?新一の全部…受け止めるから」

「心配しなくても、いっぱい出そう…しかも、すげー濃いの…」

「………アホ」

姫子から、呆れたようなため息を浴びせられ、新一は、それに小さく、クスクス。と、笑って返すと、華奢な姫子の身体を再び強く抱きしめ、激しく腰を打ちつけた。

ベッドが強く軋み、新一の耳元に姫子の吐息交じりの甘い声が吹きかかる。

先ほどまで浮かんでいた汗の粒が、雫となって、2人の体を伝って流れ落ちる。

新一の脳が、悦によって白く霞み、熱が一気に一点に集中し始めた。

「あっ…マジッ…も、イクっ…姫子っ!!」

「しんいちっ…私もっ…やっ…イっちゃうっ…もっ…ぁんっ…あぁぁぁんっ!!」

「…ぁっ…くぁっ!!」

姫子の強い締め付けに、全てを搾り取られるように、新一は熱いモノを姫子の中に吐き出した。

この瞬間、この上ない幸福感が新一と姫子を包みこむ。

新一は、ぐったりと姫子に預けていた体を起こし、愛しい眼差しを向けながら、彼女の頬を優しく撫でる。

姫子はそれに、気持ち良さそうに瞳を一旦閉じてから、真っ直ぐに新一に瞳を向けて、彼女もまた手を伸ばして彼の頬を撫でた。

お互いに、荒く息を吐き出しながら、引き寄せられるように重なる唇。

ゆっくりと丹念に、味わうように互いに舌を絡み合わせ、唇を吸いあう。

2人の呼吸が整うまで、ゆっくりと時間をかけて。

「愛してる…姫子」

「私も、愛してる」

「ずっとこうして、姫子の中にいてえよ…」

「んっ…新一…」

チュッと姫子の瞼にキスを落して、そう囁くと、彼女の口から色っぽい声が漏れる。

また、ニヤリと上がる新一の口角。

「色っぽい声出して…このまま第2ラウンドしてって誘ってんの?」

どこから繋げて誘ってると取るのか…

「は?なんで、そうなるのよ…やっ、やあよ。そんなたて続けになんて無理ぃ!」

「無理じゃねえって。いつものことじゃん」

予想できるだけに、その「いつものこと」が恐ろしい…

「そんなっ、いつものことって…久し振りなんだから、ちょっと間隔あけてよ」

「無理。久し振りだからこそ、今までヤれなかった分、埋めねえとなぁ?」

そんな事をされたら、本気で壊れて立ち上がれなくなる…

「アホかっ!なに、言うてんのよ!!充分…1回で充分です!!!」

「俺には全然足りねえ」

足りてよ…

「もーっ、嫌やってばぁっ!」

「いっぱい出してって、可愛らしいこと言ってくれたじゃん、姫子♪」

改めて声に出して言わないでよ…

「そっ、それは、今の一回キリの話で…」

「諦めろって。すぐに元気になっちゃうし?」

はぁ、もう…

「やだぁぁっ!!」

このあと、どれだけ新一に愛されたのか…それは、姫子のみぞ知る――――





**暑中お見舞い申し上げます**


暑く、鬱陶しい日々が続いていますが、皆さん、如何お過ごしですか?

私、小暮姫子は、相変わらず、新一と、こんな生活を送っています(笑)

彼が、プロのサッカー選手になってから、会う時間が随分と減って、寂しいときもあるけれど、

こうして久し振りに会うと、大変なことになっちゃうけれど、

いっぱいの愛情を注いでもらって、幸せに過ごす事が出来ています。

私にとって、新一は、なくてはならない存在だから、

これからも、ずっと彼の傍で、彼の支えになれるように頑張ろうと思っています。

きっと、新一もそう願ってくれてるハズだから…

今度お会いする時も、幸せな私たちをお見せ出来るように、

喧嘩は程ほどに(笑)仲良く過ごしていきますね。

皆さんも、どうぞ体調など崩されませんように、お体をご自愛くださいね。

それでは。

また、お会いできる日を楽しみに…

え?あのあと、どうなったか、って?

それは…もう、ご想像していただけるかと…


小暮 姫子




++ FIN ++

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