のモノ。


L3L
■著作権は、紅さまに帰属しています■
こちらの 「俺のモノ。」 は、「L3L」の管理人さまである
紅緒さまが2006年の年明けに際しまして、相互リンクサイト限定でフリー配布されていた作品です。
俺様な生徒会長と、生贄のメガネっ子……
軽妙な会話が、絶品です。
新年早々、オイシイ作品をありがとうございました♪



…こんにちは。
仲町文乃と申します。

はい…かの有名な、極悪生徒会長のイケニエでござぁますよ。
奴の支配下に陥れられ、早数ヶ月…。

なんだか…。

『生徒会長・鬼頭恭介の彼女』が定着しつつあるんですけどっ!?




         …こんな新年、やだ…。…



「あ、間違い発見」
「へ!?」
「さぁ、どこだろうね」
「お、教えてくれたりしちゃったりしません?」
「まともな日本語喋ろうよ…」
「…どこが間違っていますか?」
「半分くらい」
「へ!?それって、”発見”どころじゃない…」
「頑張れ、ふみ」
「…ほくそ笑むなっ」
「暖かく見守ってるんだよ」
「嘘付け…」


みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

え?
文乃ですか?

…いちいち聞かないで下さいよ。

見れば分かるじゃないですかぁ…。
ぁぁぁ…。

え?
今?

…冬休みです。
もうお正月です…。



「ふみ、宿題はさっさと終わらせるものだって」
「…それは、天才のセリフです」
「ふみは馬鹿だから、面倒だろ?」
「…どうせ馬鹿です」
「俺は天才だから、簡単すぎて面倒なんだよね」
「…つまり?」
「さっさと終わらせた方がいいのは、お互い様」
「…そうですか」
「そうですよ」
「…ところで、鬼頭氏」
「…」
「…恭くん」
「なに?」
「なんで、文乃は鬼頭マンションで年越しなのですか!?」
「俺が決めたから」


ドン。

撃沈です。


お母さん。
お父さん。

文乃は、悪い人に連れ去られました…。
ごめんなさい、愚かな娘です。


「でも、最終的に悪いのは、文乃の親でしょ」
「…どうせ、阿呆な親たちだもん」
「娘に”帰省するな”だからねぇ」
「…万年青春夫婦ですから」
「”文乃も大きくなったし、夫婦水入らずで過ごしたいわ”」
「…マネするでない…!」
「似てただろ」
「…ぁい」


そうなんですよ…みなさん。

悪いのは、うちの親どもなのですって!


以下、昨日の仲町親子の電話会話。

「明日の夕方の電車で帰るつもりなんだけど」
「…え?文乃、帰って来るの!?」
「なんで!?帰っちゃダメ!?」
「高校生なんて、夜遊びしなさいよ!」
「は!?」
「せっかく規制ユルユルの寮にいるのよ!?」
「はぁ…」
「高校生らしく、羽目外しなさいな」
「…母?」
「だから、ママとパパの邪魔しないでねっ」
「は?」
「雪乃もお友達の家だから」
「…」
「文乃、帰って来ちゃダメよ」

以上、親子の会話です…。


どこの世の中に、娘の夜遊びを推奨する親がいるの!?

もう…やだ。

お母さん!
お父さん!
ついでに、妹!


あなたたちのおかげで…。
文乃はっ。
文乃は…っ!!



ケダモノの餌食になっちゃったじゃないの!!




「ふみ?ふーみ?」
「はっ!」
「脳内トリップ終わった?」
「…ただいま」




こうして、文乃は新年を鬼頭マンションで迎えたのですよ…。

え?
カウントダウンしたかって?


…。


ベッドの中でね!

それ以上は、聞いちゃだめっ。



「初詣、行くか?」
「神社?」
「寺に詣でるわけ?仲町家は」
「違う!」
「だったら、神社」
「…」
「行く?」
「行かない」
「なんで?」
「…後でこっそり独りで行くもん」
「それはまた、どうして?」
「…いろいろナイショにしたいの!」
「文乃?」
「…ぅ」


悪魔が笑ってる…。
にたにた笑ってます!

あぁぁぁ。

新たな悪魔イヤーの幕開けです…。


「文乃?」
「…ぁう」
「俺に隠し事してもいいと思ってるの?」
「…たぶん思ってたりします」
「たぶん?」
「一応…」
「文乃」
「…はい」



「俺に隠し事したら、いけません」



…こいつなら…。

嘘ついたら針千本飲〜ます

って、普通に言いそうですよ!
いやいや。
至極当然に、実行しそうです。



「…ぅはい」
「よろしい」


いいもん。
いいもーん。


こっそり。

『悪霊退散』って祈っておくから。
厄除けのお守り買おう。


今年の文乃は、目指せ平和な1年!

これが目標なのです…!

去年は、この鬼悪魔に…あんなことや、こんなこと!
それはもぉ、筆舌尽くしがたい悪行に遭い…!!

何度、神様を呪ったことか!


「ふみ?」
「なんでもないですーーーー」
「ふみ。ご飯作って」
「…自分で作れ!」
「やだ」
「やだって…」
「やだ。作れ」
「自分で作れ」
「ふみが作れ」
「…私、お客さんだもん!」
「でも俺の下僕でしょ」
「ちっがーう!」
「じゃあ、恋人」
「それも違うもん!」
「そう?」
「うん!」
「じゃあ、恋人にしてあげよう」
「へ…?」




…あの…みなさん。


どうやら、地獄への扉が開いた模様です…。


地獄には何があるのか、ご存知ですか…?



寝室という名の地獄には、ベッドがあるんですよっ。




「いーやーーーーだーーー」
「はいはい」
「変態!痴漢!不審者!」
「文乃は馬鹿で可愛いなぁ」
「馬鹿って言うな!」
「じゃあ、阿呆」
「…一緒じゃん!」
「はいはい」




悪魔が!
大魔王が!
ルシフェル!!

サタン!

鬼!
極悪人!




思いつく限り叫んでみました。


でも。


新年早々、文乃は学習してしまいました。






悪口言ったら、その分、お仕置きされるんですぅっ!!




「ふみ、姫始めって知ってる?」
「はい?」
「ひめはじめ」
「…?」
「わからない?」
「お姫様ごっこ?」
「ふみがお姫様ごっこしたいなら、してあげるけど?」
「…そんな申し出いらんですたぃ」
「残念。あ〜れ〜ってやりたかったのに」
「やらない!」
「じゃあ、姫始めしようか」
「な、なぜに脱がす!?」
「姫始めだから」
「なに、それ!?」




15分後。

身を持って知りました…。



そういえば、24時間くらい前に。

”姫納めってことで”

と言われて、手篭めにされた気がします…。


今年、2つ目の学習でした…。



文乃の”良いお年”は、いつ来るのでしょう??


fin.

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