きの声 〜あらすじ〜


〜帝国恋愛秘話〜
フラフラと車道に飛び出してきた 少女 を拾ったのは、司法院の「癒し」を司るアルテア家の当主・ デルハナース だった――。
「厭世家」「俗世嫌い」「人間嫌い」と噂される彼と 記憶喪失の少女 の生活は、意外にもうちとけていくが。
少女は日を追うごとに自分の中の 「記憶」 に秘密があることを知って……。

司法院image

司法院と最高審官 ・・・司法院は「イフリア帝国(注、1)」の裁判所プラス処刑場のような場所です。
基本的に「イフリア国教会(注、2)」の教えに背いたものが裁かれるのですが、司法の二家「裁き」と「癒し」の当主の裁量が優先されます……。
コレ(注、3)に関して、「国教会」の方とは確執があるらしく、関係は険悪――隙あらば、二家の失脚を目論んでいたり。


注釈
1.イフリア帝国 ・・・皇帝・イグダリオの御世。首都はベリス。地下水道が多く、イフリア国教会の力が強い。隣国に「シルレント王国」がある。
2.イフリア国教会 ・・・イフリアの民が信仰する国教。皇帝に対しても強い発言力を持ち、皇帝家の娘を神子にする慣習〔ならわし〕が古くから続いている。血の穢〔けが〕れをもっとも嫌うため、司法院〔ケルビム〕とは犬猿の仲。
3.コレ ・・・「嘆きの声」の数年前にあった、司法院と国教会との権力的な抗争……これによって、とりあえず司法の二家の力は増したが、その中心的な役割を果たした「裁き」と「癒し」の前当主は引退。現在の若い当主の誕生となりました。

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